キリコムプラスでオーダーシートを作成しよう
キリコムプラスでは、無料でご利用できる縫製仕様書がございます。
1. 仕様書
2. 品質関係指示書
3. 寸法表
4. 縫製仕様書
5. 縫製チェックシート
6. サンプルチェックシート
7. 簡易仕様書
8. 付属表(開発中)
以上の8種類の仕様書が標準であります。
簡易仕様書などは、画像を貼りつけるだけでも良い簡単なものになっています。
他の仕様書は詳細項目があり、ご必要に応じてご利用していただけます。
もちろん商品マスターと連携しているので入力の手間が最大限省けるようになっています。
豊富な種類をご用意はしておりますが、やはり様々なものづくりがあるように仕様書も企業によっては過不足が
あるかと思います。
そこで、キリコムプラスでは上記の各使用書類を更に複数のレイアウトの作成を進めています。
そうすることで、各企業ごとにご必要な仕様書の組み合わせをキリコムプラス上で作成していただきご利用していただくことができるようになります。
キリコムプラスではお客様のお話を尊重しながらものづくりを進めておりますので
ご要望等ございましたら、ご相談いただけましたら幸いです。
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あるレジ打ちの女性
人はしばしば目標を見失い、生きることに苦しみ悩むことがあります。
しかし、その苦しみは、永久には続かないのです。
人間は常に変わることが出来るからです。
私の仕事上のパートナーで、Tさんという方がいます。Tさんの勤める会社は人材紹介の大手なので仕事と人との係わり合いの中、色々な人間ドラマが生まれるのです。
そのTさんから聞いた話で、強烈に印象に残った話がありました。
私はこのエピソードに「あるレジ打ちの女性」と名づけました。
その女性は何をしても続かない人でした。
田舎から東京の大学に来て、部活やサークルに入るのは良いのですが、いやになって次々と所属を変えていく人だったのです。
そんな彼女にも、やがて就職の時期が来ました。
最初、彼女はメーカー系の企業に就職します。
ところが仕事が続きません。
勤め始めて3ヶ月もしないうちに上司と衝突し、あっという間にやめてしまいました。
次に選んだ就職先は物流の会社です。
しかし、入ってみて、自分が予想していた仕事とは違うという理由で、やはり半年ほどで
やめてしまいました。
次に入った会社は医療事務の仕事でした。
しかしそれも「やはり、この仕事じゃない」とやめてしまいました。
そうしたことを繰り返している内に、いつしか彼女の履歴書には、入社と退社の経歴がズラッと並ぶようになっていました。
すると、そういう内容の履歴書では、正社員で雇ってくれる会社がなくなってきます。
ついに、彼女はどこへ行っても正社員として採用してもらえなくなりました。
だからといって、生活のために働かないわけにはいきません。
田舎の両親は早く帰ってこいと言ってくれます。
しかし、負け犬のようで帰りたくはありません。
結局、彼女は派遣会社に登録しました。
ところが、派遣も勤まりません。
すぐに派遣先の社員とトラブルを起し、イヤな事があるとその仕事をやめてしまうのです。
彼女の履歴書には、やめた派遣先のリストが長々と追加されていきました。
ある日のことです。
例によって「自分に合わない」などと言って派遣先を辞めてしまった彼女に、新しい仕事先の紹介が届きました。
スーパーでレジを打つ仕事でした。
当時のレジスターは今のように読み取りセンサーに商品をかざせば値段が入力出来るレジスターではありません。
値段をいちいちキーボードに打ち込まなくてはならず、多少はタイピングの訓練を必要と
する仕事でした。
ところが、勤めて一週間もするうち、彼女は
はレジ打ちに飽きてきました。
ある程度仕事に慣れてきて、「私はこんな単純作業のためにいるのではない」と考え始めたのです。
とはいえ、今までさんざん転職を繰り返し、我慢の続かない自分が、彼女自身も嫌いになってきました。
もっと頑張らなくては、もっと耐えなければダメだということは本人も分かっていたのです。
しかし、どう頑張っても何故か続かないのです。
この時、彼女は、とりあえず辞表だけ作ってみたものの、決心をつけかねていました。
すると、そこへ、お母さんから電話がかかってきました。
「帰っておいでよ」
受話器の向こうからお母さんの優しい声が聞こえてきました。
これで迷いが吹っ切れました。彼女はアパートを引き払ったら、その足で辞表を出し、田舎に戻るつもりで部屋を片付け始めたのです。
長い東京生活で、荷物の量はかなりのものです。
あれこれダンボールに詰めていると引き出しの奥から1冊のノートが出てきました。
小さい頃に書き綴った大切な日記でした。
無くなって探していた物でした。
パラパラとめくっているうち、彼女は「私はピアニストになりたい」と書かれているページを見つけたのです。
そう、彼女の小学校時代の夢です。
そうだ、あの頃、私はピアニストになりたくて、練習を頑張っていたのだ。
彼女は思い出しました。なぜかピアノの稽古だけは長く続いていたのです。
しかし、いつの間にか、ピアニストになる夢はあきらめていました。
彼女は心から夢を追っていた自分を思い出し、日記を見つめたまま、本当に情けなくなりました。
あんな、希望に燃えていた自分が今はどうだろうか?
履歴書には自分が辞めてきた会社がいくつも並ぶだけ。
自分が悪いのは分かっているけど何と情けないのだろう。
そして、私はまた今の仕事から逃げだそうとしている……。
そして彼女は日記を閉じ、泣きながらお母さんに電話したのです。
“お母さん私、もう少しここで頑張る”
彼女は用意していた辞表を破り、翌日もあの単調なレジ打ちの仕事をするためスーパーへ出勤していきました。
ところが、2,3日でもいいからと、頑張っていた彼女に、ふとある考えが浮かびます。
私は昔ピアノの練習に何度も弾き間違えたけど、繰り返し弾いているうちに、どのキーがどこにあるかを指が覚えていた。
そうなったら鍵盤を見ずに、楽譜を見るだけで弾けるようになった。
彼女は昔を思い出し、心に決めたのです。
「そうだ、私は私流にレジ打ちを極めてみよう」
レジは商品ごとに打つボタンが沢山あります。
彼女はまず、それらの配置をすべて頭に叩き込むことにしました。
覚え込んだら、後は打つ練習です。
彼女はピアノを弾くような気持ちでレジを打ち始めました。
そして数日のうちに、ものすごいスピードでレジが打てるようになったのです。
最初に目に映ったのはお客さんの様子でした。
「ああ、あのお客さん、昨日も来ていたな」「ちょうど、この時間になったら子供連れで来るんだ」とか、色々なことが見えるようになったのです。
それは、彼女のひそかな楽しみにもなりました。
相変わらず、指はピアニストのように、ボタンの上を飛び交います。そうして、色々なお客さんを見ているうちに、今度はお客さんの行動パターンやクセに気づいていくのです。
「この人は安売りの物を中心に買う」といか、「この人はいつも店が閉まる間際に来る」
とか、「この人は高いものしか買わない」とかが分かるのです。
そんなある日、いつも期限切れ間近の安い物ばかり買うおばあちゃんが、5000円もする尾頭付きの立派な鯛をかごに入れて持ってきたのです。
彼女はビックリして、思わずおばあちゃんに話しかけました。
「今日は何か良いことがあったんですか?」
おばあちゃんは彼女ににっこりと顔を向けて言いました。
孫がね、水泳の賞を取ったんだよ。今日はそのお祝いなんだよ。いいだろう、この鯛」と話すのです。
「いいですね。お目出度うございます」
うれしくなった彼女の口から、
自然に祝福の言葉が飛び出しました。
お客さんとコミュニケーションを取ることが楽しくなったのは、これがきっかけでした。
いつしか彼女はレジに来るお客さんの顔をすっかり覚えてしまい、名前まで一致するようになりました。
「○○さん、今日はこのチョコレートですか、でも今日はあちらに、もっと安いチョコレートが出てますよ。」
「今日はマグロよりカツオの方がいいわよ」などと言ってあげるようになったのです。
レジに並んでいたお客さんも応えます。
「いいこと言ってくれたわ、今から換えてくるわ」
そう言ってコミュニケーションを取り始めたのです。
彼女はだんだんこの仕事が楽しくなってきました。
そんなある日のことでした。
今日はすごく忙しいと思いながら彼女はいつものようにお客さんとの会話を楽しみつつレジを打っていました。 すると、店内放送が響きました。
「本日は込み合いまして大変申し訳ありません。どうぞ空いているレジにお回りください。」
ところが、わずかな間を置いて、また放送が入ります。
「本日は込み合いまして大変申し訳ありません。重ねて申し上げますが、どうぞ、空いているレジの方にお回り下さい。
そして、3回目、同じ放送が聞こえてきた時に、初めて彼女はおかしいと気づき、周りを見渡して驚きました。
どうしたことか5つのレジが全部空いているのに、お客さんは自分のレジにしか並んでなかったのです。
店長が慌てて駆け寄ってきます。
そしてお客さんに「どうぞ空いているあちらのレジはお回り下さい。」と言ったその時です。
お客さんは店長の手を振りほどいてこう言いました。
「放っといてちょうだい。私はここへ買い物に来ているんじゃない。あの人と喋りに来てるんだ。だからこのレジじゃないとイヤなんだ。」
その瞬間、彼女はワッと泣き崩れました。
その姿を見て、お客さんが店長に言いました。
「そうそう、私たちはこの人と話しをするのが楽しみで来てるんだ。
今日の特売は他のスーパーでもやってるよ。
だけど私は、このお姉さんと話しをする為に、ここに来てるんだ。だからこのレジに並ばせておくれよ」
彼女はポロポロと泣き崩れたまま、レジを打つことが出来ませんでした。
仕事というのはこれほど素晴らしいものなのだと、初めて気づいたのです。
そうです。
既に、彼女は昔の自分では無くなっていたのです。
それから、彼女はレジの主任になって、新人教育に携わったそうです。
彼女から教えられたスタッフは仕事の素晴らしさを感じながら、今日もお客さんと楽しく会話していることでしょう。