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コラム 雑感

聞き上手

先日、あるイベントで、ある有名な会社の会長と会う機会があり、お話をさせていただきました。

非常に気さくな方で、つい私は多弁になってしまいました。話が終わると非常に良い気持ちになりました。後日、良く会長を知っておられる方々に会長の評判を聞くと、異口同音に高評価です。それで、その原因を皆で話し合いした結論は「聞き上手」だという事でした。「聞き上手」が実に大事だと気づかされた瞬間でした。

商談というと商品の説明をしなければならいし、なぜ売れるかを説明する必要があるので、とにかく喋らなければならないと思うのが普通かもしれません。しかし、私は喋ることよりも、聞くことのほうが重要ではないかと思います。先ずは、相手が何を要望しているのかを聞き出すことが必要だと思うのです。そのためには聞き上手になることが大事です。聞き上手になって相手の要望が分かればその商品に絞って話をすれば良い。それではどうしたら聞き上手になれるのでしょう?
人から嫌われたいと思えば、下記のことをやれば確実に嫌われると思います

1) 相手の話を決して長く聞かない
2) 終始自分の事だけを喋る
3) 何か言いたいことがあると相手の話の途中で遠慮なく口をはさむ。

自我に陶酔し、自分だけが偉いと思っている人たちです。皆さんもそういうたぐいの人に会ったことがあるはずです。
聞き上手になるためには、その反対のことをやれば良いわけです。

1) 相手の話を興味深くじっくり聞く
2) 相手にしゃべらせ、自分の話は控えめにする
3) タイミング良く相槌を打ち、相手がリズムよく喋りやすいようにする。

そうすると相手は気持ちよく喋ることができ、思わぬ本音が聞けて商談もスムーズにいくものです。そしてあなたに対して好感を持ち、相手にとって貴方はとっても良い人になるでしょう。
「江戸しぐさ」という言葉をご存じでしょうか?
良いコミュニケーションの為の江戸商人の知恵だそうです。
「江戸しぐさ」で言う聞き上手とは

人前で足を組まない。腕組みをしない。
相手の目をじっと見て体を乗り出すようにして聴く。
勘所では相槌を打つ。
多少知っている話でも「知っている」などとは言わない。
興味深そうに、先に話しを進めるよう促せば
思わぬ収穫があるは必定。

と書いてありました。江戸の知恵は流石でしょう?
聞き上手の基本的なテクニックは、相手へのアクション(主に質問)と、相手の話に対するリアクション(相づち/表情/動作など)でしょう。 相手が話し出さない場合には、こちらから相手に質問をすればいいのです。  相手が話し出したら、それに対して相手の言葉に合わせてリアクションをとればいいのです。相槌と、それに合った表情や動作をすればいいのです。 相槌には、次のようなものがあります。

・肯定的 :「そう」「フムフム」「ふーん」「ハイハイ」「なるほど」「そうなんだ」・・・。
・先を聞く:「それで?」「それから?」「どうしたの?」「どういうこと?」・・・。・深く聞く:「どうして?」「どうなっているの?」「(あなたは)どう思うの?」・・・。
・賛同  :「そうだよね」「いいんじゃない」「私もそう思う」・・・。
・驚き  :「へー」「本当ー」「ウソー」「信じられない」「そんなこともあるんだ」・・・。
・ほめる :「すごいね」「たいしたものだ」「やるじゃん」「えらい」
・祝福  :「よかったね」「おめでとう」「幸せだね」・・・。

私もつい多弁になり、反省することばかりですが、人から好かれるコツは話し上手というよりも聞き上手になることだと思います。
皆さんも経験がおありだと思いますが、いつもじっくり話を聞いてくれる人に対しては好感を持ち、貴方にとってなくてはならない人であるはずです。
大概は自分が喋って気持ち良い人が大半ですから、聞き上手になるためには努力するしかありません。お互い、頑張りましょう!

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