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雑感 コラム

業務改善(風紀)

弊社顧問・市来輝夫による日々のコラムのご紹介

※ 文中の「当社」は弊社顧問のかっての勤務先

上海出張の際に中国の日系検品会社所長(当社OB)から「御社の社員の挨拶ができてない、目があっても挨拶しない人がいる」といわれました。この日系検品会社の中国人社員はお客さんに対して気持ちの良い挨拶をするように徹底しているので、「御社の挨拶をみるとかなり違和感を覚える」と言われました。どんな立場のかたであろうと、お客からみれば全て当社の社員である。得意先であろうが、仕入れ先であろうが、大事なお客さんであり、感謝の気持ちを挨拶で表現し、気持ちよく商談をしてもらう配慮が大事だと思う。

さわやかな挨拶だと思えるほどの挨拶ができている会社に行くと、しっかりした会社だという印象を持つし、教育がされているという印象を与える。

当社の業績が向上すればするほど、挨拶、マナーをおろそかにすると生意気だと反発を受ける。

特に小売りをやられているお客さんは消費者に対して誠心誠意対応することを社員教育されておられるので、挨拶もろくにできない営業には違和感を感じるのではないかと思います。

挨拶やマナーができていることは洗練された社会人としても当然のことです。

これまでにも何度も言い尽くされたテーマではありますが、忘れがちで風化しやすいテーマです。かなり以前に中国で当社の社員が中国公安当局に拘束された事件がありました。海外出張が常態となった今日、再発はありえないといえるでしょうか?

当社の社員はどこで、誰と会っても挨拶、マナーが立派で気持ちが良い、業績も良いし、人材教育も素晴らしいと言われるよう努力したいものです。

朝の挨拶は元気よく、きちんとできているか→できてないと注意したら、「やっています」という。私から見るとそれは挨拶ではない。あさってを向いてつぶやいているだけ。相手の目を見て大きい声ではっきりと挨拶しましょう! 

お客様に対して笑顔で丁寧に応対しているか、横柄な態度、礼を失する態度で接していないか、→お客さんから「お宅の営業がガムを噛んで商談しようとしている、御社はどういう教育をしているか説明してくれ」と怒られ東京へ飛んで行ったことがあります。本人に問いただすと、ラーメンを食べた後で商談で臭うと失礼だから待ち時間にガムを噛んでいたということでした。よほどガム噛みが横柄に見えたのでしょう。

取次は速やかに、かつきちんとできているか→上海からの帰り、搭乗前に会社へ電話したがちょっと待ってくださいと言ったきり。うんともすんとも返事がなく、結局、カードの残量がなくなり、無茶苦茶腹が立ち、帰国してこんな失礼なことをお客にしてないかを注意しました。

私は社会人として相応しい礼儀正しい精神土壌があってこそ、正しい仕事への姿勢が生まれるのであって、人に対して真摯でない人が仕事だけに真摯になれるはずがないと思います。

どんな職場でも、職域でも優れたコミュニケーションは必要であり、それがあってこそ組織のパワーが発揮できるものと思います。

そのコミュニケーションの基本は挨拶であり、マナーであります。

この業務改善は日々の職場生活の中でお互い注意しあうことが大切で、率先して風紀の改善に努力してほしいと思います。

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クレーム対応の仕方

商売をしているからには必ずと言ってよい程、クレームはあります。
針が出た、品質不良、納期遅れ、返事が遅い、態度が悪いと、いくらでも製品OEMの仕事はクレームの可能性はあります。ですから、クレームが起きないように緻密な仕事ぶりが求められますが、クレームが起きたら仕方ありません。
最少の被害に抑えることと、「雨降って地固まる」と言われるように、クレームを乗り越えて、より信頼関係が強固になることを目指すべきです。

以前、T社にいた時に、W社の店頭から色落ちのクレームがありました。お客さんが酷く怒っておられるのでお客さんの所に一緒に行ってほしいとのことでした。W社の部長は私に「一切言い訳をしないでほしい、ただ頭だけ下げてほしい」と何度も言われました。

その商品は色落ちカラージーンズで色が落ちると表示がしてあるので、私としては納得できない気持ちでしたが、大事な得意先の依頼なので担当者についていきました。
店頭の近くの待ち合わせ場所の喫茶店に行くと、厚かましそうな大阪のおばちゃんの典型のような方がいらっしゃいました。その方は「大好きだった御爺ちゃんが買ってくれたトートバッグにパンツの色が移染した。今はもう亡くなった御爺ちゃんの形見として娘が大事に使っていたのにどうしてくれるんだ」「売り場の人にクレームを言っても返事が遅い、態度が悪い」と興奮気味に怒っています。W社の担当者は平身低頭で謝っています。
その内、お客さんの怒りは鎮まったところで「本当に申し訳ありません、ご迷惑をおかけしました。これはほんのお詫びのしるしです。」と言って、W社のトートバックとブラウスを差出したら「こんなのが欲しくて言っているんじゃない、返事が遅いし、対応が悪いから文句を言っているんだ」と言います。「分かります。こんなもので許してもらえないでしょうが、どうかお使いいただくと嬉しいです」とW社の担当者が頭を下げて言うと、おばちゃんはにっこり笑って「こんなかわいい商品を貰って悪いわね、私は娘が大好きなブランドだから頑張ってほしいのよ。頼むわね」と言い、娘の自慢話を散々した後で喫茶店を上機嫌で出ていきました。
一種のクレーマーかと思いましたが、小売りは大変だなあとつくづく思いました。

この件でわかるのはクレームの初期動作を迅速にすること誠意を持って丁寧にクレームを聴くことが大事だということです。

本当は、店頭の対応だけで終わったかもしれないのに、迅速な対応ができなっただけに、責任者を出せということになり、W社の部長とメーカーの課長が出て行って消費者に直接謝罪することになった。それと事実関係を早急に調査することです。私の経験でも針が出た事件では消費者の勘違い、得意先の勘違いも多かったように思います。

部長の対応は下記のとおりです。

1) 相手の心情を理解して丁寧にクレームを良く聴く
2) 何が問題になっているか事実関係を確認する
3) 商品の代替え案で問題の解決策を提示する
4) メーカーともどもクレームへのお詫びと感謝をする

クレームが発生したら先ずは謝罪する。相手の話をしっかり話が終わるまで聞いた後に、当社の事情説明をすることが大事です。

クレームの発生は不幸なことですが、クレームの対応に誠心誠意取り組むことで、クレーム発生以前よりも強固な信頼関係になり取引が増えることがあります。
クレームがあったら避けるのではなく、貴方を鍛えるチャンスだと思い、その問題を真正面から捉え、最善の努力をすべきだと思います。

得意先が無理難題を言っている場合は、何故、無理を言うのかを考えなければなりません。上司から「値引きを取れ」と言われている場合は、いくらこちらに理があっても0回答では話が拗れるので、落としどころを探す必要があります。
しかし、得意先の担当者が利益を出すための一方的な無理難題には毅然とした態度で臨むべきだと思います。

既に倒産した会社ですが、私は1か月の納期遅れで契約額の3倍のクレームを突き付けられ、私の対応の拙さから、得意先の社長は直接名誉会長に面会を求め、T社の名誉会長に、そのクレームを全部受けていただいた苦い経験があります。
法外なクレームを受けてしまったわけですが、社会通念を大幅に超えた対応はすべきではありません。法外なクレームは取引停止を意味します。多くの得意先は取引継続を希望するので、それほどのクレームは発生しないことが多いと思います。このクレーム後、1年ほどで倒産した社長は資金繰りに困り、納期遅れに乗じ「窮鼠猫を噛む」の心境で名誉会長に噛みついたのです。

物を作ったり売ったりする仕事とは非常にリスクの高い仕事なのです。そして財務内容の悪い会社に販売することが極めて高いリスクを負っているのだということを思い知らされました。

もう一つクレームで大事なことは社内での報告、連絡、相談(ホウレンソウ)です。特に悪い話は迅速にホウレンソウがなされなければなりません。
ナポレオンが「良い話は翌朝で良いが、悪い話は私をたたき起こせ」と言ったそうです。耳障りの悪い話は上司にしにくいものですが、上司は悪い話しこそ、一刻も早く聞きたいと思っているはずです。

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気概と執念の人

8月13日私の尊敬する元会社の先輩Tさんが亡くなられました。
楽しかった思い出があるだけに、もう会えないのだという喪失感が大きく
あの笑顔をもう二度と見られない悲しさを感じます。

良くゴルフも一緒にまわらせて頂きました。
普段は冗談や駄洒落の好きな方で、楽しいゴルフでした。
「市来君!そこ池やで!わかっとる?」
私が池に入れると、本当に嬉しそうに笑い、池に入れて悔しいはずの私も、思わず笑いを誘わせる、そんな人柄の方でした。

普段は楽しい方ですが、仕事は妥協の無い信念の人だったと思います。Tさんは生地部に所属し、私は製品部に定年までいましたので、仕事でご一緒する事は少なかったのですが、
話は良く伺いました。

その先輩Tさんが課長になりたての頃のエピソードです。

そのエピソードは私の友人で、今は良く一緒にゴルフをするYさんが登場します。

まだ20代半ばであったYは生地部で岐阜を担当していました。ミセス商品を一番良く売ると若い営業の中では注目されていました。しかし、彼が所属する課は儲かっていませんでした。ミセス素材を競争にさらされて安く売っていたからです。
儲からない課は潰されるか課長交代になります。
新しくやってきたT課長は従来のミセス素材でなく、少し若い新商品を企画し、皆に「この値で売って来てくれ」と販売させようとします。しかし、岐阜担当のYは岐阜のミセスの得意先しかありませんでしたので、「こんな商品は売れない」と文句を言います。新課長は「君だけは売らなくて良い!」と多少、感情的になります。
反抗していたYは、売らないで良いと言われて悔しかったのか、少し若い新商品を買ってくれる得意先を岐阜で必死に探します。
まもなく新商品を一番売ってくるのはYになりました。
新課長はYを褒め、実はと新商品の原価を教えます。それは従来とは比較にならないほどの高益率でした。
目から鱗のYは商売の極意を身に着けます。そして、自ら東京への販売を希望し、そのうち商品の企画に携わり、若いながら先輩に企画販売の指導をするようになります。驚くほど向上心の強いYは、いつの日か専務に、新課長は副社長になり、生地部の黄金時代を築きます。
T社の生地が独り勝ちと言われた所以は、こういった人達の「気概と執念」だったと思います。

儲からない集団を必ず儲ける集団にしてみせるという「気概と執念」のT新課長。それに触発されて、「お前は売らなくても良い」と言われ、意地でも売ってきてやるという反骨心旺盛なY青年の「気概と執念」。

私がいたT社時代の事を振り返りますと、「気概と執念」を持った人材が多くいたと思います。特に課長はほぼ全員、気概と執念を持った人材だったと思います。
持たざるを得なかったと言ったほうが正しいかもしれません。
時代が違いますので、当時の役員さんは大半が高卒の叩き上げ、大学卒もいましたが、
高卒の役員さんのほうが優秀であったように思います。
「経営は学歴でなく気概と執念」と言ったほうが良いかもしれません。
しかし、何故、T社に「気概と執念」を持った人材が多くいたのでしょう?

その理由の一つは「競争が人材を育てる」という経営者の信念だったと思います。

当時は名古屋本店と大阪支店を競争させ、意識的に同じ商品をやらせて競争させました。
大阪支店の中にも同じような課があり、課との競争をさせました。
営業は毎月、営業全員の販売目標と実績が全課に配布され
半期に一回、1番から200番まで順位を付けた販売実績表が全課に配布されます。
勿論、課の業績は毎月、全社に配布、名古屋の業績まで毎月きて刺激を受けていました。
業績が悪いと当然のように、何故悪いのかを説明し、
どうやって良くするのかを説明しなければなりません。

経営者は良い課の共通点、悪い課の共通点を上げて、課長を刺激します。
兎に角、会社に競争をあおる風土があり、いやおうなしに、
数字に対する執念を持たざるをえない雰囲気がありました。
その緊張感の中で頑張って、成長する営業もいますし、脱落する営業も出ます。
競争により社員が切磋琢磨し、「気概と執念」を持った人材が育つのも事実だと思います。

もう一つは課別独立採算制です。

この制度は課ですべてを完結するという考え方でした。
勿論、仕入れ、売上は課ごとに上げますが、経費は課の経費だけでなく、非営業の経費も各課に割り当てされます。
課が場所をどれだけ使っているかで場所代も割り当てされ、金利も割り当てされます。
課の実力が明確に業績に反映されるようにという課別独立採算制でした。
課長権限が大きくなりますが、責任も大きくなります。
課員の業績が悪いのも課長の責任ですし、経費や金利が増えるのも課長の責任です。
上手くいかないのは部長が悪いとか、課員が悪いとか言えない、自分が悪いのだという仕組みになっていました。
その制度の下で半期ごとの業績結果によりボーナスが支払われます。
業績により多い人もいれば、0(ゼロ)の人もいます。
当然、課長は売り上げを増やし、益率を上げ、経費を抑える方策を必死で実践することになります。
課長が必死になれば課員も必死になります。自ずと「気概と執念」の集団ができます。
.
私は亡き先輩Tさんから気概と執念の大事さを教えて頂きました。有り難うございました!!

「市来君!そこ天国、そっちは地獄やで!わかっとる?」

「はい、分かっていますけど、もう少しあとで…..」

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クロージング

商品を販売する商売をしている以上、いくら良い商品でも売れなくては良い商品かどうかさえ分かって貰えません。
価値ある商品でも買って貰えなければ無価値になるのです。
何故売れないのか、とことん考えることが大事です。

私の営業時代、準備不足、勘違いや思い過ごしによる失敗は数多くあります。
前年にフェイクレザージャケットが好調に売れ、得意先との根回しの結果、今年は倍増出来ると生産の準備をした結果、売約は取れたが店頭で売れずに失敗。ケミカルジーンズが爆発的に売れた次の年も同じ失敗をしました。これは今売れているものに目を奪われ、その寿命を読み違い、次に売れるものを提案できてない失敗です。得意先も前年良く売れて店頭で不足した商品を計画しますが、次に売れる商品は何かを常に考え、今売れている商品の寿命を読むことが大事です。

日頃、常に店頭を調査し、今売れているものと次に売れそうなものを見極める眼力を養っていないと精度の高い準備は出来ません。常に勉強をしていないと目の前にチャンスがきているのに気づかず、見逃してしまうわけです。得意先の優秀なバイヤーは仕入先の営業がそういう感性を持っているか、勉強しているかを興味深く見ていると思います。

商談が始まるかどうかは企画の提案であり、提案が説得力あるものにする入念な準備です。私が営業時代、得意先に当社NO,1の営業について「何故、あの営業から買うのか?」と聞いたことがあります。答えはこうでした。

「あの営業は提案が充実している、市場を良く見ているので情報も豊富で勘が良い、私が何を欲しがっているかを読むし、何に、不便を感じているか、当方に何を要望しているのかを話の中から察知し、絞り込んだ中から商談をする。何よりも商談の準備が素晴らしい。」

商品も良く、準備も出来ている、しかし、売れない。
最後の詰めが甘い為、商品が売れない事があります。
それをクロージングの失敗と言うそうです。

「成約率98%の秘訣」和田裕美著によるとクロージングとは
「買いますか?買いませんか?」と選択肢を与えて「今決めてください」とお客さんの背中を押すことですと書いてあります。この本は化粧品や保険、不動産の販売テクニックとして書かれていますので、婦人服OEM営業に置き換えて考えてみました。

売れない営業は詰めが甘い
売れない営業は詰めが甘いことが多いと思います。商談も佳境に入りお客さんが決めようと沈黙し考えをまとめようとしている時に、その沈黙に耐えられず、ウクライナがどうだとか、大谷選手は凄いとか関係ないことを喋る。お客さんは考えがまとまらなくなり、「次にしよう」となる。「今決めたら納期は守れますが、明日であれば納期は1週間遅れます。ご希望の納期が絶対なら今日決めていただけますか?」とかクロージングをタイミング良くかけることができない。

拒絶を怖がらない
営業マンが「真面目でいい人なのに売れない」「一生懸命やっているのに成績が上がらない」という場合、そのほとんどが「営業マンがクロージングをかけていない」状況だといいます。なぜクロージングをかけることが出来ないか?それは拒絶が怖いからと言っています。自信を持って決断を促す質問をするだけなのに出来ない人はできない。

お客様に不要な情報は削る
「話が上手なのに、なぜか売れない」人もいます。そんな人はおそらく「話し過ぎ」の可能性があります。自分に酔って話していても、お客様にはメリットがありません。
喋ればよいというわけではないことは良くお分かりだと思いますが、お客様に不要な情報は極力削ったほうが良いと思います。

聞き上手になる
それよりも聞き上手になることです。T社でも寡黙なタイプなのにトップセールスの人がいました。その人は聞き上手でした。相手の目をしっかり見て全身で相槌を打ち、全身全霊でお客様の話を聞いているので、お客さんも気分が乗ります。
そこで寡黙な人が一言お客さんの気に入るような言葉を言うので一気にファンになります。

お客様に好かれる
カーネギー著「人を動かす」では人に好かれるための原則を紹介しています。人に好かれるための最初の原則は「誠実な関心を寄せる」ことだと言います。そして「聞き手にまわる」「笑顔で接する」「相手の関心を見抜いて話題にする」「心からほめる」この寡黙営業は多弁ではないがちゃんとこの人から好かれる原則がすべて出来ていました。
お客様から好かれる事が、クロージングをやりやすくするのは当然のことです。
クロージングをしやすくする下準備があると思いますが、その一つがお客様から好かれることです。

商品に惚れる
その他にもクロージングをかけやすくするセールステクニックを考えてみたいと思います。その一つが勧める商品にほれ込むことです。
リサーチもし、相手の要望を読み、その結果、提案することになった商品に自分もほれ込むことが大事で、これを買えばお客さんは必ず儲かると思い込んだら、説得力に迫力がでます。

売る商品ついて商品知識を持つ
もちろん出来るかぎりの商品知識の用意も必要です。お客様が決定に迷う理由は、この商品が売れるか、この営業の言うことを信じることができるかということです。この商品の相場がどのくらいのものか、だからこの価格の提示は決して高くない、リサーチの結果、こういう理由で貴方の売り場で売れると自信たっぷりに話すことが大事です。お客さんと一緒になって売れるかどうか悩んでいては決まるものも決まりません。

無理強いをしない
自信を持って勧めることは大事ですが、無理強いはいけません。営業に無理に買わされた商品が売れなかったら、営業への信頼は落ち、次の商談に確実に影響します。人は何かを決断するとき、迷います。「買わない」という選択肢も最後まで残しておきます。不安があるお客様には、変に無理強いせず、不安をすべて聞いてください。「悩んだ結果、自分で選んだ」にすることが大事です。

アフターフォローが大事
商品を納入したら売れたり、売れなかったりしますが、売り場での消化率にも関心を持ち、あれだけ自信を持った商品が売れなかった。どこに問題があったかをお客さんと検証すべきだと思います。そしてその経験を次の商談に、商品企画に生かすのです。そのような真摯な態度はお客さんに好感を持たれます。

嘘をつかない
いくら売りたいと思っても、絶対にしてはいけないことがあります。それは嘘です。納期、品質など出来ないことは、出来ないとキッパリと断ることが信頼につながるのです。相手の厳しい価格の交渉に、安くて粗悪な素材に替える、厳しい納期に合わせる為に、使ったことのない下請けの工場に回すとかして上手く商談を進めたつもりでも、結果は必ず納期遅れや品質不良になってお客様に迷惑をかけることになり、信頼を失います。

色々書きましたが、まとめると、
「何に、不便を感じているか、当方に何を要望しているのかを察知し、真摯な態度で、自信を持って説得販売をする。」ということになるのでしょうか。

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後輩の育て方

ichiki

私がまだ現役の課長だった頃、部の朝会で私は質問されたことがあります「多忙な仕事をこなすのに何を意識していますか?」私は即座に「部下を育てる事です」と答えました。
自分の代わりに出来る人を育てる事が出来れば、今までの自分の仕事を引き継いで、やりたかった新規開拓や新企画に挑戦できるわけです。育てた部下が
又その部下を育てていくことで、組織は順調に拡大し続けることが出来るのです。自分が成長し続けるためにも後輩を優秀な後輩に育てる必要があるのです。
しかし、部下を育てると言っても容易な事ではありません。
職場でのコミュニケーションの中でも難しい仕事の一つだといえます。
どうやったら後輩を育てる事が出来るのでしょうか?

私のことで恐縮ですが、私は南九州の宮崎出身の田舎者でした。
大阪に来るまで、九州を出たことがありませんでしたので、訛りがきつく、
良く先輩から訛りのことで、からかわれていました。
T社に入社して一年間はデリバリーをやり二年目から営業につきました。
デリバリー時代に私はこの仕事は向いていないと感じ、機会があれば田舎に帰りたいと思っていました。

営業一年目は寝具課に入りましたが、どうしても商品を好きになれない。希望を出して、田舎に帰るチャンスがあるかもしれないと九州地方の販売員になりました。重いキャリーバッグを両手に抱え、九州各地を転々として売りに歩く仕事も好きになれませんでした。もう一度、希望を出して婦人服ボトムの課に入れてもらいました。この頃には、もう自分自身で営業失格だと自覚するに至っていました。

鳴かず飛ばずで、一年が経過し、毎日辞める事を考えていた時、新入社員が入り、初めて私にU君という部下が付きました。しかし、優秀な新入社員との噂の社員です。いつも目がギラギラして、いかにも気の強そうな後輩です。私はU君の教育係を命じられて躊躇しました。歓迎会の宴席で仕事に関しての矢継ぎ早の意欲的な質問に閉口しましたが、突っ込んで話してみると、熱い心を持った好青年で、好きになりました。

私はこの後輩の模範となるべく努力するようになったのです。「ダメ営業では教えることは出来ない」この後輩に馬鹿にされないようにノルマもこなし、仕事の本も読み、勉強するようになりました。先輩に指導されても反応出来ない私が、この熱いU君と切磋琢磨するようになったのです。毎週末には飲みに行き、仕事の話だけでなく、家族のことや、恋愛、人生論にまで話は及びました。彼は遅くなると私の家に泊まり込んでまで熱く語りました。
このころから課長からの評価も高くなり、「お前の企画力はたいしたものだ」とまで言ってもらえるようになったのです。

U君が入社するまでは、私は仕事に対して受け身だったと思います。与えられた仕事をイヤイヤこなす毎日が面白いはずがありません。U君との出会いが仕事への向き合い方を変えてくれたのです。
「教えることは学ぶこと」だったのです。私は教育係を命じられましたが私がU君を教えることで多くのことを学びました。今から思うと私はU君と同じ目線で物を考え、行動していたと思います。私も彼を信頼し、彼も私を信頼していたように思います。
その後、私はボトムの課長になり、彼はブラウスの課の課長になって業績を競う仲になりました。

いくら先輩が後輩を指導しようと思っても、その後輩が先輩の話は聞きたくないと思っていたら、面従腹背になり、なかなか指導にはなりにくいという事になります。しかし、もちろん、後輩が聞きたくない顔をしているからといって何も言わないでおくと、後輩の指導にはなりません。
後輩が先輩の話を聞きたくないと思うのは先輩を尊敬出来てないからだと思います。

1)手本を見せる

部下は上司のことを良く見ています。口では立派なことを言っても、行動が伴っていなければ部下は聴く耳を持ちません。
先ずは先輩がやって見せ、手本を見せることです。
山本五十六の言葉「やってみせ。言って聞かせて、させてみせ、誉めてやらねば人は動かじ」はあまりにも有名ですが、この言葉が核心をついているからだと思います。
後輩を育てるためには自分がしっかり見本を見せることが前提です。
その行動、言動に納得いってこそ、後輩は聴く耳を持ちます。
結局、部下を育てるという行動は自分を成長させることに繋がります。

2)権限移譲する

車の運転、自転車もそうですが、理論的に分かっていても、実践してみなければ運転できるわけがありません。実際に運転してもらう事が技術習得の早道です。
やらせてみてこそ、後輩は仕事の難しさとか楽しさが実感でいるのだと思います。「やらせるのにはまだ早い」とか思っていると、いつまで経っても任せることが出来ません。かといって、何でもかんでも仕事の丸投げは後輩を潰すことになります。後輩の失敗の責任は全部自分が取る気持ちで仕事を渡すことが大事です。そうすれば後輩は思い切って仕事に挑戦することが出来ます。

3)適切な指示、注意をし、成果は素直に褒める

後輩が仕事に挑戦すると、必ず失敗もします。その時は何故失敗したかを
一緒に考えて適切な指示、注意をします。決して頭ごしに怒ったりしないことです。怒られる恐怖から二度と挑戦する意欲を削がれたら困ります。
反対に後輩が成果を出した時は一緒に喜んで100%褒めます。
私がまだ若くて仕事に自信を持っていなかった時「お前の企画力は大したもんだ」と褒められて嬉しくなり
それがきっかけで仕事に一生懸命になれた事を思い出します。

4)コミュニケーションを良くする

後輩には任せた仕事の報告をさせます。その報告について質疑応答しながら
アドバイスをし、先輩からも報告、相談をすることによってコミュニケーションが良くなります。攻撃的な先輩の下で育った後輩は、怒られるのが怖くて失敗を隠す、報告を捏造することに繋がります。受け身的な先輩の下で育った
後輩は先輩の反応が少ないのでやる気を失い、先輩をなめてかかります。
報告、連絡、相談が習慣化され、コミュニケーションが良くなればなるほど
後輩が育ちやすい環境が出来ていきます。

山本五十六の言葉に続きがあります。

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

5)信頼を寄せる

感謝され、信頼されれば後輩は責任感が強くなり、俄然、やる気が出るはずです。
私もT社の社長から説教され、厳しい指導を受けた時、「いずれ、お前が製品部のリーダーになると見込んでいるから言っている」と言われ、厳しい指導を素直に受け入れた事を思い出します。

6)後輩に考えさせる

後輩を育てる為に何でも答えを直ぐに言うと、後輩は自ら考えることをせず
何でも先輩に聞いてきます。ヒントを与えて自ら考える力を付けさせる事が大事です。「何故、企画提案の営業が必要なのか?」「得意先の商品のテイストは?
主力商品は何か?」自ら考える営業を育てなければいけません。

7)後輩の事を良く知る

人は自分のことに興味を持っている人に好意を持つものです。
後輩の仕事以外のことの趣味や家族のことも良く知ることがコミュニケーションを良くすることに繋がります。

8)教育は根気仕事

知識として知ることは比較的簡単であるが、本当に身について実行できるためには長年の訓練が必要です。T社では「教育1年、修練10年」と言われておりました。育てるには粘り強い根気が必要と覚悟すべきです。

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自己改革、自己啓発

インフォアイの皆さんが日々自己成長し、良い仕事をしたいと思われているのを面談していると感じます。成長のためには「自己改革、自己啓発」が必要だと思うのです。今日は「自己改革、自己啓発」について考えてみます。

私達の得意先であるファッション業界は変化対応業だと思います。
変化する服のトレンドにどう対応するか、変化する業界に的確に対応できるかが勝負です。過去の成功体験に執着していては変化に対応できなくなります。常に進化していく必要があるのです。

私も問屋の衰退、専門量販店の衰退、百貨店の衰退といくつもの会社が倒産するのを見てきました。ブランドもそうです。商品もブランドも会社も常に成長と衰退を繰り返しながら変化していきます。変化する環境の中で私達こそが変化しなければなりません。成長も衰退も人のなせる技だからです。
そこで常に私達は自己改革、自己啓発を続ける必要があるのです。

自分の不得手を克服し、大経営者になった人もいますし、自分の長所を生かし成功した人もいるでしょうが、いづれにしても自分の長所、短所を見つめ、自己改革、自己啓発をしていく必要があると思います。

●自説を曲げず、失敗した例

私が課長になり、何年か経過した頃、優秀なカットソーの課長が誕生しました。
彼は頭もよく、営業力もあり、自信家でした。
弁舌も爽やかで、会長からの評価も非常に高く、会長は私のライバルとして育てようとの意図がみられました。
私の次長昇進と同時に彼も次長に昇進し、私も彼の能力を高く評価していました。
為替は円高の流れが続いていました。当時、為替は課長に任せれ、仕入れた分だけドルを買うことを指導されていました。
彼は早期に企画し、早期に発注するという大量生産大量販売を戦略とし、円高は追い風となり、好成績を残していました。
早期大量発注で原価が相当安いうえに$=110円の頃に発注し、商品が上がってきた時の$=100円でつなげば余分に利益が出ます。
ところが、1996年に一転として円安の局面になり、一年以上円安が続くのです。
$=¥100で発注していたものが$を繋ぐときは$=¥110~¥120、早期発注、大量生産の企画のずれもあり、利益が全く出ないようになりました。

それでも、プライドが高く自説を曲げようとしない彼は行き詰まり、不正に手を出すことになります。
結果、不正は発覚し、退社を余儀なくされたのです。

過去の成功体験は自信になりますが、その自信過剰が命取りになります。私もデニムで大成功を収めた翌年に大失敗をした経験があります。
自信喪失の私は唯我独尊であった自分を反省し、部下に任せるところは任せ、部下や上司、得意先の意見を積極的に聞くように
やり方を変え、立ち直ることが出来ました。自信は大事ですが、自信過剰で自説を曲げ無いのは命取りになります。

●尊敬できる人を目標にする

私は30代半ばの頃、婦人のパンツ業界で名を轟かしていたタキヒョウ―の伊藤課長に憧れました。メーカーでも得意先でもすこぶる評判が良く、社員からも尊敬されている人でした。音響機器のKENWOODからの転職で成功された方でした。凄腕の割には物腰が柔らかく、上智大学で落語研究会に所属していたというユーモアのセンスもある人でした。剛腕からは想像できないソフトなイメージのギャップに私はますますファンになり。私はそのパンツ業界で競争し、追いついてやろうと決心するのです。
私の仕事への情熱は伊藤課長と出会い、その影響を受けたことで始まったといって過言ではないと思います。影響を受ける人が社長だったり、先輩だったり、他業種の人、偉人、大経営者、スポーツ選手と人それぞれに違いはあると思いますが、自分の憧れる人を目標にして、自己啓発していくことは自己改革の努力を継続していくに有効な手段だと思います。

人それぞれに、仕事に対してこういう人になりたいというテーマがあるのではないかと思います。企画提案の優れた人になりたいとか、仕事のスピードを身につけたい人になりたい、コミュニケーションの達人になりたいとか、そう思ったらその道に優れた人を目標としたり、本を読んだりして研究することです。
今はネットを検索すればいくらでも参考になる本や話は見つけることが出来ると思います。

●社員に三つのタイプ

日本電産の永守社長は「社員には三つのタイプがいる。第一は自ら仕事に燃えられる自燃力のあるタイプ。第二は他人が仕事に燃えるのを見て、刺激を受けて自分も燃えるタイプ、第三が全く燃えない、或いは燃えようとしないタイプだ。」と言っています。
自燃力のあるタイプはごく僅かで、大多数は第二のタイプです。

野球の天才だと言われる大谷翔平選手が所属するエンゼルスのアダム.チェツコ広報部長が言っています。

「大谷翔平選手の用意周到に驚かされる。試合後にクラブハウスではノートを取っています。クラブハウスでノートを取っていない時はウエートルームでトレーニングしています。常に本番に向けて準備をしているのです。」

そして、大谷翔平が言っています。「人生は短く、時間が足りない、遊んでいる暇は無い」

間違いなくは自分で課題を見つけ、自分で克服していく人、
代表的な自燃力のあるタイプです。

しかし、多くの人は第二の他からの刺激を受けて燃えるタイプですから、人から、本から、ネットからと常に刺激を求めていく必要があるのではないでしょうか。

●変えるべきもの、変える必要のないもの

しかし、世の中には悪い刺激も多くあります。「朱に交われば赤くなる」という諺があるように人は関わる人によって
良くも悪くもなります。悪い刺激が魅力的に見える時もありますので、悪い人や悪い情報をなるべく避けることも大事です。
「変えるべきもの、変える必要がないもの」を自分で取捨選択し、自己の成長に繋げていきたいものです。例えば、野球の基礎練習であるキャッチボール。肩慣らし程度に行う

●思いを「潜在意識」に浸透させる

多くの人は自己改革を望んでいるでしょうが、改革に成功する人と成功しない人が出てきます。
私はその差は思いの強さだと思います。
京セラの稲盛名誉会長が「働き方」の本の中でこう言っています。

「思いは必ず実現する。
それは、人が「どうしてもこうありたい」と強く願えば、その思いが必ずその人の行動となって現れ、実現する方向におのずから向うからです。
ただそれは、強い思いでなければなりません。
漠然と思うのではなく「何がなんでもこうありたい」「必ずこうでなくてはならない」といった、強い思いに裏打ちされた願望、夢でなくてはならないのです。
寝食を忘れるほどに思い続け、一日中、そのことばかりをひたすら繰り返し考え続けていくと、その思いは次第に「潜在意識」にまで浸透していきます。
「潜在意識」とは自覚されないまま、その人の奥深く潜んでいるような意識のことです。普段は表に出てきませんが、思いもかけないとき、またいざというときに現れて、計り知れない力を発揮します。」

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お知らせ コラム 雑感

コラムのご紹介

この度、弊社顧問を務めております    市来輝夫がこれまで書き溜めてきたコラムをご紹介しております。

市来顧問は、某有名繊維商社にて長年トップを走り続け、退任後は自身のオフィスの設立・弊社顧問をはじめとして現在も精力的に活躍をされています。

仕事における考え方、日常における物事の捉え方、はたまた人生における指針となるような事例まで、市来顧問の視点から執筆されています。

毎月更新されます。是非皆様、ご一読くださいませ。

コラムを読むには上部メニュー「コラム」または下部ボタンからどうぞ。

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成長への道筋

以前、「どうやって売り上げを増やすか」というテーマで考えたコラムがあります。結局は新商品開発と新規得意先開拓ではありますが、考え方の参考になるかもしれないと下記紹介したいと思います。

売上を増やすのは大変ですが減るのは簡単に減るので、増やす努力を普段にする事が大事であると思います。新規得意先を探す、同じ得意先で他ブランドの開拓、新商品開発をするなどの努力です。
良く、攻撃は最大の防御なりと言いますが、常に新規得意先、仕入れ先候補を探しておいて新規得意先の売り上げを増やすことは攻撃です。今の得意先との取引を減らさないようにするのは防御です。
勿論、防御は大事ですが、堅固なる防御と果敢な攻撃の巧みな組み合わせが必要なのだと思います。
減ることは無いだろうと思うのではなく、常に減る可能性があることを前提で営業を考えることが大事だと思います。

以前私が課長だった頃、景気が悪い時に信用不安のある得意先を列記したら2,3年内に売り上げが半分になると予想が出来ました。現状の得意先から撤退したくても、その得意先との取引があれば時間が取られ、新規の得意先を開発する時間がとれません。
理想は増やしながら減らしていく事ですが、なかなか上手くいきません。そこで各人が担当している主力得意先で撤退すべきところの取引減目標を設定し、先ずは減らす事から始めました。
そうすると営業は個人の業績が減りますので必死で新規の得意先を探し、個人業績減をくい止めようとしました。そうすることで新規得意先が増えていきました。

結局、現場の営業が本気になれば、出来ないと思えることも出来るのです。お互いの新規開拓情報共有のため、毎週の月曜日の会議で新規得意先と取引する為に先週どんな努力をし、どんな成果があったかを報告し合い、新規開拓の為の情報交換もしておりました。
防御である従来の得意先との売上維持、増にも工夫が必要だと思います。
長い取引の中でどうしてもマンネリ化現象が発生します。相手の考えていることが分かりますので、それに合わせることが簡単にできるようになります。そこに落とし穴があるのではないかと思います。
得意先の店頭が陳腐化し業績が低迷すれば、いずれ当社との取引に影響が出ます。
近江商人の言う「三方よし」買手よし、売手よし、世間よしの精神が大事です。得意先の店頭を常に観察し、競合店の違い、元気な店との違いを見極めながら企画の提案をする、相手の企画に疑問を投げかけるなど、売り手よし、世間良しにする為の真のコンサルトセールスが出来なければならないと思います。
そうした日々の営業活動の中から信頼関係の構築が出来るのだと思います。

自分のミスで取引縮小になることもあります。そのミスが得意先に再起不能なダメージを与えたら別ですが、この場合も誠心誠意、ミスのフォローをし、最低限のダメージに終わる努力をし、ミスを上回る信頼関係を構築することが大事だと思います。取引中止でなければ「雨降って地固まる」の関係にするのは難しくないと思います。

結論から申しますと、起死回生の妙手は商売にはなく普段の地道な努力の中にしか妙手はないということになります。T社の生地部は業界の中で一人勝ちと言われるほどの地位を築いていますが、昔から常に元気な得意先を小規模のうちから探し、次の主力得意先を探していました。
問屋隆盛の時代は問屋へ、SPAアパレルが隆盛になればSPAアパレルへと確実に元気な得意先へ入り込んでおりました。次に伸びるだろう業態を予測し、その業態に攻勢をかけており、私もそれを横目に見ながら努力しておりました。

今、元気な得意先がいつまでも元気だという保証はありません。次にくる元気な業態は何か、得意先は何処かの情報を収集し、常に情報交換しながら売上増の努力をすることが大事だと思います。

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注意の仕方

先月、電車内でタバコを吸っていたことを注意された男が、注意した男子高校生に殴る蹴るなどの暴行を加え重傷を負わせた事件がありました。
SNSでは男子高校生の勇気を称える声とともに「見て見ぬふりをする大人が情けない」との声も上がったそうです。
高校生がどのように注意をしたかが分かりませんが、暴力男は皆の前で注意され逆ギレしたのは間違いありません。

若い頃、私も似た経験があります。
家路に向かう電車内での出来事です。夜も遅く、車内はまだ座れる席もあるという感じで、空いていました。そこに、中年の男性が足を組み、大きな声で携帯電話で長々と話をしています。話を聞くつもりはありませんでしたが、どうしても聞こえてしまうので、聞いてしまいました。内容はどうでも良いようなことで、急ぐような話ではありません。私はちょうど前の席に座り、周りの人は、しかめ面をして携帯電話の通話に迷惑している様子でした。私も同じように、しかめ面して我慢をしていましたが、長々と続く話に、つい「車内で電話をかけたら、あかんやろ!」と大声で注意しました。

車内の全員がこちらを注視しました。その男性は携帯電話を切って、「誰が電話をしたらあかんゆうて決めたんや!どうしても必要なことやったら、ええのんちゃうか!車掌にどちらが、おおとんのか、聞こやないか」私は「そんなもん、車掌に聞かんでもわかっとる」その男性は席を立ち、「降りろ!話をつけよやないか!」とドアの前に立ちました。私はついていくつもりはありませんでしたが、次の停車駅は私の降車駅の千里丘駅でした。

しかたなしに降り、彼が向かうプラットホームの端までついていきました。彼は立ち止り、こちらを向く、私は走って逃げようか、どうしようかと思っていたその時、彼が「すみませんでした!許してください!あなたが言うことが正論です。みんなの前で恰好がつかんので、あのように言いました。」と言って頭を下げたのです。私はホッと胸をなでおろしました。

数日後、私はその話を友人に話しました。

その友人は興味深そうに話をきいていましたが、「市来、それはお前が悪い、そんな注意の仕方やったら、誰でも素直に聞けるはずがない、最悪な注意の仕方や!怪我せんかったんはラッキーと思わなあかんで!」

私の友人は得意そうに、彼が車内で体験した話をしてくれました。

その車内は混んでいて、作業着を着たおじさんが座席で横になって寝ていたそうです。もちろん立っている人がいるのですが、注意する人はいなくて、皆、見てみないふりしていました。

彼は、勇気を振り絞り、腰をかがめて「おじさん、気分が悪いんですか?なんでしたら、車掌を呼びましょうか?」そのおじさんは「いやいや、大丈夫や」といって、ちゃんと座りなおしたというのです。なるほど、素晴らしい注意の仕方です。

友人の注意の仕方は相手に立ち直るキッカケを与えています。しんどくて寝てはいたが、混んできても起き上がるキッカケがなかったのかもしれません。相手の立場を考えて、体面を保ちながら、優しく注意をする。

私の注意の仕方は相手の顔がつぶれます。私の注意が正論であればあるほど、、彼は恥を衆目にさらされることになるのです。素直に注意をきけるはずがありません。

仕事で注意をする場合もそういう配慮が必要ではないでしょうか?場合によっては恥をかかせることも必要でしょうが、相手が恥をかかせられたことだけにこだわってしまったら元も子もありません。その人物、時と場合を考えながら上手に叱る、これはハイテクニックですね。相手が反省するように叱らなければ意味がありません。

中国の工場に当社の品管が指導に行きます。その指導員は仕事熱心のあまり、縫製ラインの工員に向かって興奮して叱りました。中国の社長から「あの指導の仕方は問題がある。いくら縫製の仕方に問題があっても、大勢の前であんな怒られ方をしたら、やめてしまいます。」とクレームがきたことがあります。

数多くの失敗をしてきた私ですが、「短気は損気」この言葉が一番心に沁みます。

私が20代の時、仕事に自信を失い、会社を辞めたいと強く思っていた時に出会い、感動した本があります。

D、カーネギーの「人を動かす」という本です。

その中に、注意の仕方の例がありますので抜粋して紹介したいと思います。

“オクラホマ州エニッド市のジョージ、ジョンストンは、ある工場の安全管理責任者で、現場の作業員にヘルメット着用の規則を徹底させることにした。ヘルメットをかぶっていない作業員をみつけしだい、規則違反を厳しくとがめる。すると、相手は、不服げにヘルメットをかぶるが、目を離すと、すぐ脱いでしまう。そこでジョンストンは、別の方法を考えた。
「ヘルメットってやつは、あんまりかぶり心地の良いものじゃないよ、ねえ。
おまけに、サイズが合っていなかったりすると、たまらんよ。……
君のは、サイズ合っているかね」。
まず、こう切り出して、このあと、多少かぶり心地が悪くても、それでも大きな危険が防げるのだから、ヘルメットは必ずかぶろうと話すのである。これで相手は怒ったり恨んだりすることもなく、規則は良く守られるようになった。“

これは相手の立場に立って、ヘルメットをかぶりたくない理由を代弁し、理解を示し、相手の心に聞き入れる準備をさせたうえで、ヘルメットをかぶることに賛同してもらったということだと思います。

そして、偉大な心理学者ハンス、セリエの言葉を紹介しています。

「我々は他人からの賞賛を強く望んでいる。そして、それと同じ強さで他人からの非難を恐れる」。

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雑感

コミュニケーション

明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。

今年もテレワークになりますが、微力ながらインフォアイの皆さんのお役に立てればと頑張りたいと思います。
年頭のテーマは「コミュニケーション」にしました。

コミュニケーションが減るテレワークでは、コミュニケーションを深めるのに、それなりの工夫が必要だと思います。
私が経験した現場を再現して、皆さんに、どう工夫したら良いのかを考えてもらえたらと思います。

「何で?何で売約予算の80%しかできへんのや、今日が月末というのに何で早く言わんのや!」
「この売約残いつになったら出荷できるの?!えっ!来月末?もう、出ぇへんと違う?出ぇへんかもしれません?何で早く言わんのや!」

私が部長、課長時代、良くあった会話です。
課長としては悪い情報ほど早く欲しい、悪い情報をいち早くキャッチして対策を練り、被害を最小限にしたい、だから早く報告や相談をしてほしいという思いから出る言葉です。

皆さんも「ほうれんそう」という言葉は聞かれていると思います。
ほうれんそう→報 連 相→報告、連絡、相談
コミュニケーションの基本はこの報告、連絡、相談です。
新入社員の研修で必ずと言っていいほど、出てくるテーマだと思います。

何故、そこまで大事な事なのかを考えていきたいと思います。

この「ほうれんそう」は目標を達成するのに必要な作業だから大事なのだと思います。

会社の重要な目標は何でしょう?
重要な目標の一つは利益をあげることです。

私たちの会社は日々変化するフッション商品の売買を商いとしています。顧客に次シーズンに売れるだろう商品を正確に提案し、リスクし、顧客が要望する商品を要望する納期にお届けすることにより顧客から信用され、利益が発生します。
会社の目標の一つである利益をあげる為には企画、生産、販売、デリバリーにいたるまでの作業が無駄なく連携がスムーズになされてこそ、できるものです。
しかし、順調にいかないことのほうが多いと考えるべきです。

それぞれの段階で何らかの問題が発生するはずです。得意先からの発注変更の報告、工場からの納期遅れの連絡、仕入れ先への縫製仕様変更の相談、その一つひとつがスムーズになされなければ大問題が発生し、利益を生むどころか大きな損が発生します。

この「報 連 相」が普通にできる組織は生産性の高い組織づくりが出来、チーム力を高め、相乗効果が発揮でき、顧客満足が可能になり利益につながり、会社は発展します。

これが出来ない組織はどうなるでしょう?
二度手間、やり直しなどムダ満載の組織になり、チーム力が低下し、パワーを削ぎ合い、顧客不満足が発生し、客離れ、損ばかりが発生し、組織崩壊となります。

この「報 連 相」が会社の命運を左右する。ことそれほどに重要なことなのです。

それほどに重要な報連相も、受け手がしっかりと受け止め、真摯に反応しなければ文化として定着することは難しいと思います。
折角、報連相をしても、受け止めてくれ、結論を出さねば誰もしなくなります。
批判をされても、怒られてもしにくくなります。

前述の課長と課員の会話は課員も報告の義務を怠ったけれども、報告しにくい雰囲気を作っている課長も悪い。
おまけに、月末まで売約がどのような推移をしているのかチェックしないのも
管理ミスです。自分のミスを棚に上げて課員を責める。ますます、人間関係は悪化し、信頼関係が崩れていきます。

課長は「報告!報告!」と言うけども、「すると怒られるから報告したくない、しても聞いてくれているのか反応がないし、結論が出ない」という心境に追い込むことが、悲劇を生みます。

部下は報連相をする義務があり、上司は報連相をさせやすくする責任がある、する側、させる側と双方に義務や責任があるのではないでしょうか?
しかし、言いにくいから報告しなかったというのは理由になりません。報連相ができなければ、組織に迷惑をかけるばかりか、結局、本人が一番苦しむことになります。

ところで、報告とは何でしょう?

報告とはある任務を与えられた者がその経過や結果を述べる事で、どちらかといえば縦情報で、あなたと周りを結ぶ生命線で社員としての義務であり、PRという側面もあります。

連絡とは気持ちや考え方、情報を知らせる事、どちらかといえば横情報で、周りの人への気配りと情報共有なので、複眼で見る必要があります。

相談とは問題の解決の為に話し合ったり、他人の意見を聞いたりすることで、自分の見解を示して考えることであり、周りの知恵を借りての問題解決を図ることであります。

「ほうれんそう」が大事なのは皆さん周知のことと思いますが、これが普段に活発にされる、そういう文化が必要なのだと思います。

それはコミュニケーションが自然にできる職場にほかなりません。

テレワーク主体の会社だからこそ「報連相」が自然にできる会社文化を作っていって欲しいと思います。